大絶賛されている「トイストーリー4」ですが、海外の一部では、ボイコットを呼びかけているママたちがいるようです。
その理由はトイストーリー4の「レズビアン描写」に対する不満でした。
今回は、問題となったシーンについてや評価についてまとめてみました。
「トイストーリー4」のレズビアン描写による海外の評価や反応
トイストーリー4は、世界的に大絶賛されている映画です。
海外の反応を見れば、「トイ・ストーリー3で終わっておけばよかったのに」という声があるものの、基本的には「トイ・ストーリー4」は、とてもよくできていると評価されています。
しかし、その中に、「トイストーリー4をボイコットせよ!」と声を上げる人々がいると、アメリカの「Newsweek」による報道がありました。
アメリカには、アメリカ家族協会(American Family Association=AFA)という、家族や子供をサポートする目的のプロテスタント組織があります。
AFAは、「100人のママ(One million moms)」と「100人のパパ(One million dads)」と題する2種類のサポートサイトを持っています。
サポートサイトでは、「LET US KNOW WHEN YOU FIND TRASH IN THE MEDIA(メディアの中に良くないものがあったら教えてね)」と謳っており、今回「トイ・ストーリー4」が話題となっているのは、「100人のママ」のサイトの方です。
通常、テレビや映画、広告や商品などに問題があると判断した世間のお母さんは、AFAの「100人のママ」サイトから主張をし、そこでボイコットを計画して実行するという仕組みになっています。
ボイコットは、通常、問題となっているテレビや映画の制作会社にEメールを送る程度であることが多いようですが、「100人のママ」のサイトに、「トイ・ストーリー4に微妙なシーンがある」と書き込みがされたとNewsweekは発表しました。
実際の書き込みを確認しようと、「100人のママ」のサイトを訪れたのですが、膨大な数の訪問者が訪れているからか、サイトは現在表示できない状態になっていました。
Newsweekによれば、「子どもたちの感度を下げるために・・・」、つまり、子どもたちが感情的にならないようにするために・・・と書き込みされていたとのことです。
「トイストーリー4」のレズビアン描写が問題と海外で評価されたシーン
アメリカのママたちが過敏に反応している、トイ・ストーリー4の問題シーンは、「レズビアン描写」であるとのこと。
「トイ・ストーリー4」の映画を見てみると、映画の最初の方で、ウッディの持ち主である女の子のボニーが、幼稚園へオリエンテーションに行く様子が描かれています。
初めて幼稚園を訪れたボニーは、内気な様子で、お母さんの後ろに少し隠れる感じで、幼稚園の教室内を見渡しています。
この時、ボニーの目には、「2人の女性」に抱かれる子供が映ります。
この2人の女性は、1人の男の子の親であるかのような描写がされており、1人はメガネを掛けた白人女性、もう1人は、ショートカットの黒人女性です。
この2人は、お互いに体を寄せ合いながら、男の子と3人でハグをします。
また、幼稚園のオリエンテーションを終わらせたボニーが教室の外へ飛び出し、両親のところへ駆け寄るシーンがありますが、このシーンにも、例の2人の女性と子供が登場しています。
ボニーの両親がボニーを迎えに来たのと同じように、例の2人の女性は男の子を迎え、男の子は2人の女性に、その日工作をしたものを見せて喜ぶ姿が映されています。
この2人の女性の関係性については、物語の中でも明らかにされていませんし、制作側からも特に説明はされていません。
しかし、このシーンを「レズビアンの女性たちが登場していることで、子供の感情に影響がある恐れがある」と、一部のママたちが問題視しているのだそうです。
「トイストーリー4」をボイコットするという意図の請願書
一部のママグループは、2人の女性のシーンを危険だとし、「ライフスタイルは明らかにされてはいないが、明確である」と訴え、両親の感覚が「盲目」にされる可能性があると主張しているそうです。
また、映画制作側に対して、「トイ・ストーリー4」は、公開前に問題のシーンが含まれていることを公言していなかったと言い、それは多くの子供達に意図的に見せようとした計画があったからなのではないかとさえ主張しているようです。
子供に大人気のディズニーは、期待度も高いようで、「ディズニーはエンターテインメントにこだわるべきだ。問題となったり、物議を醸し出すようなトピックを持ち込まずに。」と意見されているとのことでした。
「トイストーリー4」の海外の反応をふまえた個人的な評価
トイストーリー4で、物議を醸し出すのは、「トイ・ストーリー3」で終わるべきだったかどうかということだけかと、個人的には思っていたので、まさかレズビアンを描写したことで問題視されているとは予想もしていませんでした。
トイ・ストーリー4に登場した例の2人の女性が、同性愛者であるかどうかは、確かにはっきりと公言されてはいないのですが、映像を見る限り、2人の関係は確かに、友達ではありませんし、親子でもないですね。
そういったことから、同性愛者である可能性は高いと言えるかもしれません。
しかし、ディズニーは、どんな映画作品でも、こういった物議を醸し出す演出をしていますよね。
例えば、「〇〇の映画に、黒人が出るのはおかしい」とか、「〇〇が舞台の映画に白人が出るのはおかしい」とか、よく批判されていますよね。
しかし、ディズニーは一向にそういった物議を醸し出すようなトピックを映画に持ち込むことを止めず、むしろ、以前よりも積極的に取り入れるようになっていると思います。
私は、そのディズニーのやり方に大賛成です。
なぜなら、ディズニーという大手がそういった際どいトピックを作品に持ち込むことによって、世界(世間)で、誰が辛い目にあっているのかが、よく見えてくるからです。
例えば、世間が「〇〇の映画に黒人が出るのはあり得ない」と批判することがあったら、「あぁ、私達の世界では、まだまだ人種差別は存在しているんだな」ということが分かりますね。
今回の「同性愛者」の描写にしてみても、「子供の目に触れられるべき光景ではない」と世間が騒ぐのであれば、「あぁ、世界はまだ同性愛者に批判的な目を持っているのだな」ということが分かります。
こういう、「批判の目」が世界に存在していることを浮き彫りにするディズニー作品は、すごいなって思うのです。
実際に、子供は大人が思うほど、人を差別的に見ていないと思います。
純粋に興味を持つことはあっても、だから批判しているということではないでしょう。
なので、今回のトイ・ストーリー4の女性2人が、例え同性愛者であったとしても、子供への影響は心配しなくていいのではないかと私は思います。
問題なのは、「同性愛者は見てはいけないもの」とレッテルを貼っている親の方だと、私は思います。
ということで、世界には人としての問題点がまだまだあることを見せてくれた「トイ・ストーリー4」は、とても素晴らしい映画だと私は評価しています。