ここでは啄木鳥探偵處の登場人物と歴史上人物との比較をまとめています。
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【啄木鳥探偵處】の登場人物は歴史上人物!
啄木鳥探偵處には、歴史上実際に存在した歌人や文人たちが多く登場します。
実在の人物の性格などの個性は残しながら、それぞれのキャラクターが魅力的に描かれています。
【啄木鳥探偵處】は実話なの?
啄木鳥探偵處は、伊井圭原作のミステリー小説が原作となっています。
石川啄木が”探偵をする”という設定は、史実ではなく啄木鳥探偵處でのオリジナルの設定になります。
また、原作小説に登場するのは、石川啄木と金田一京助の2人だけで他のキャラクターはアニメ版のみのキャラクターです。
【啄木鳥探偵處】登場人物と歴史上人物比較まとめ!
石川啄木
<作品内設定>
人たらしの天才歌人でお金と女性にだらしないが、どこか憎めない色男。
探偵バディーの金田一京助は中学時代の先輩になります。
京助も含め、啄木の才能を認めてくれる仲間たちに囲まれ、ミルクホールでよく交流をしています。
<史実>
石川啄木は、岩手県出身で、明治時代に活躍した詩人・歌人です。
幼少期はとても賢く、神童と呼ばれていました。
与謝野晶子に影響を受けて短歌活動を始めていきます。
ただその頃から、女遊びが尽きなかったとのことです。
お金には恵まれず、実家の借金で貧困に苦しんだ人生を送りました。
そんな貧しい生活の中、たくさんの短歌を発表し、周りから天才歌人と表されるようになりました。
しかし最期は肺結核を患い、26歳という若さでこの世を去りました。
金田一京助
<作品内設定>
石川啄木の才能を誰よりも愛し、生涯にわたり石川啄木を支えた相棒です。
性格はとても温厚で、啄木の押しにはめっぽう弱い性格です。
普段は國學院大学の非常勤講師をしています。
<史実>
日本を代表する言語学者で、国語辞典の編集者としても有名です。
また、アイヌ民族の言語や文学などを調査した第一人者でもあります。
後輩であり親友の啄木のことをとても気にかけており、よくお金を貸していました。
野村胡堂
<作品内設定>
面倒見がよく、人情家の文士達の兄貴的存在です。
東京帝国大学の学生です。
金田一京助の中学時代の同級生で、石川啄木の先輩になります。
後に『銭形平氏 捕物扱』を執筆します。
<史実>
岩手県生まれの小説家。
金田一京助とは、盛岡中学校での同級生です。
銭形平次を主人公にした『銭形平氏 捕物扱』を執筆し、383編もの作品を発表しました。
また、野村胡堂とは別に「あらえびす」という名前で、音楽評論家としての顔も持ち合わせており、レコード評論も執筆していました。
平井太郎
<作品内設定>
小説家を目指す好奇心旺盛な文学少年です。
啄木の扱う事件に興味津々で、観察眼に優れているため大人顔負けの推理をします。
後に江戸川乱歩となる将来有望な少年です。
<史実>
大正から昭和にかけて活躍した小説作家です。
小学生時代から母親の読み聞かせで推理小説に慣れ親しんでいました。
そんな背景からか、明智小五郎が活躍する『怪人二十面相』シリーズなど多くの推理小説を書いています。
執筆時のペンネーム江戸川乱歩は小説家のエドガー・アラン・ポーからもじったものになります。
吉井勇
<作品内設定>
育ちがよく、キザなところがある恋多き伯爵歌人です。
石川啄木をライバル視していています。
後に流行歌『ゴンドラの唄』の作詞で有名になります。
余談ですが、アニメのエンディング曲は 、原曲をNOW ON AIR がカバーした『ゴンドラの唄』となっています。
<史実>
大正・昭和の歌人、脚本家です。
明治時代には華族と呼ばれる貴族階級があり、吉井勇は華族の中で伯爵という階級でした。
石川啄木とともに文芸雑誌『スバル』の創刊に参加しています。
映画『その前夜』の劇中歌として『ゴンドラの唄』を作詞しています。
荻原朔太郎
<作品内設定>
人見知りの引っ込み思案で繊細な性格ではありますが、友達思いな一面を持ち合わせています。
口下手でピュア詩人とも言われています。
また啄木には、ほのかな憧れを抱いています。
<史実>
小さい頃から、孤独を好み小学校時代には、一人でハーモニカなどを楽しんでいたそうです。
学業に関してはあまり得意ではなかったようで、中学時代は学校へ行くと言って森の中を歩き回ったり、大学も精神的苦悩に悩まされ、中退しています。
そんな中で、短歌と出会い、歌人として才能が開花していきます。
また生涯の友人、室生犀星とともに、『感情』などを創刊し「日本近代詩の父」と称されるようになります。
若山牧水
<作品内設定>
啄木とは呑み友達で、旅と酒を愛している、マイペースで自由人。
底抜けに明るくムードメーカー的存在でもあります。
<史実>
生涯に渡って旅をするほど旅を愛しており、たくさんの旅先で唄を詠んでいました。
沼津に移住するほど、千本松原の景観に惚れ込んだというエピソードもあります。
富士山や秩父の自然を愛していていたようで、歌にも富士の歌などが多く残されています。
また、一日一升ほどの酒を飲んでいたぐらい大のお酒好きの酒豪でした。
芥川龍之介
<作品内設定>
第一高等学校の学生で、頭脳明晰で、クルーな孤高の天才高校生です。
いつもドキっとすることを言います。
また、夏目漱石に強く憧れています。
<史実>
短編小説を得意とする日本の小説家です。
家庭環境は複雑で、母親が精神病を患ってしまい、伯母に育てられます。
大学在学中に発表した『鼻』が夏目漱石に絶賛されます。
『羅生門』『地獄変』などの名作を執筆しますが、様々な要因により心身共に衰弱し、睡眠薬で自殺してしまいます。
夏目漱石
<作品内設定>
石川啄木の先輩小説家で、芥川龍之介の憧れの師匠。
<史実>
幼少期は、里子に出されたり、また別のところに養子に出されたり、幸せとは言えない生活でした。
しかし、現在の東京大学に入学し、主席で卒業し、中学校の英語教師となりました。
また文部省からの命を受けてイギリスへ留学をしますが、異国での不自由な生活で、精神衰弱してしまいます。
日本に帰国し、気分転換にと進められ書いた小説『吾輩は猫である』で、作家としての知名度が上がることになりました。
森鴎外
<作品内設定>
陸軍軍医総監で、偉大な文豪・歌人でもあります。
歌人として石川啄木に一目を置いていて、几帳面な性格をしています。
<史実>
幼少期にドイツ語を学び、大学では医学を学びました。
卒業後は、軍医となり、研究のためにドイツへの留学もしていました。
留学後は『舞姫』を始め、多くの小説を執筆しています。
まとめ
アニメでの設定と史実を比べてみましたが、もともと文学が好きな人なら、実際の歌人たちも、こんな会話をしていたのではと想像できるような世界観で、間違いなく楽しめるアニメになっていると思います。
もちろんあまり詳しくない人でも、実際の人物と、アニメでのキャラクターとの共通点を見つけながら観てみると、より作品や登場人物たちの魅力を見つけられると思います。